遺灰の入れ物

ここでは、「 遺灰の入れ物」 に関する記事を紹介しています。
今日はとてもまずいことがあった。
正直どうしようかと困り果てている。
こんなとき自分のおっちょこちょいな性格を本当にうらめしく思ってしまう。

というのも、今日は親父の葬式があったのだ。
ずいぶん生きた上での大往生で、そろそろだと覚悟はできていたけれど、やはり身内、特に父親の死は悲しいものだった。
それでも長男として通夜やら葬式やらを取り仕切ってここ数日忙しかった。
そして先ほど遺骨を焼いてきたのだが、ここで一つ問題が生じた。
遺灰を入れる物がなかったのだ。
出席者の誰一人持ってきていないと言う。
まいった、これでは遺灰を持って帰ることができない。

仕方ないので、遺灰は飲みかけのペットボトルに入れることにした。
中身は炭酸飲料ではないので好都合だと思った。
ここまではドタバタ話としてはよくある話。
私がここまで悔やんでいるのは、遺灰が入ってることを忘れて、さっきそのジュースを少し飲んでしまったことである。
いや、味は私の大好きなメロンだったので、おいしくて問題はなかった。
飲み心地もそんなに粉っぽくはなかった。

では何をそんなにあわてているのかと言うと、それを飲んでからというもの、私の知らない思い出が頭の中に生まれ始めているのだ。
視点から考えると、それはどうも親父の思い出らしく、そのときの親父の感情まで記憶として付着しているのだ。
もう死んだはずの親父が私の中に入ってきているのだ。
今日私は親父と一体になったと言えるような気がする。

うん、ちょっと待て、今、日露戦争のころのことも思い出したぞ。
この記憶は当然私のでなければ、もちろん親父もまだ生まれていない。
…となると考えられることは――。
親父、あんたも親父(私の祖父)の遺灰をうっかり飲んでしまったクチか。
おっちょこちょいな性格は確実に遺伝されているようである。



* * *

よそ様のブログを見ていたら創作過程の紹介が面白かったので、今回自分も紹介してみる。
忙しいので簡単に箇条書きにします。

1.おっさんがペットボトルを大事そうに、しかし色は緑で毒々しくも感じられたので、そこから中身は遺灰が入ってることにした。
1.カタチがペットボトルなので思わず飲んでしまうだろうなと。
1.遺灰を飲んでしまったらどうなるか、記憶も一体化されることにした。

でも遺灰を飲む(なめる)ってのはどこかの国の風習にあるって昔本で読んだ気がします。
そこらへんの記憶がこんな話を書かせたのでしょう。

大して面白くねえな



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